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『君の名は。』がおもしろくない理由を考えてみる。

2017/06/04

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君の名は。おもしろくない

いま大ヒット中の映画『君の名は。』を観てきました!かなり評価が高いのでめちゃめちゃ期待して映画館に。わくわく。

ですが、、映画を観た後にはなんというか狐につままれたような、消化不良な状態。どうも私のなかで気持ちの悪さというか釈然としないものが残って気持ち悪い。なんだこの気持ちは?すごくいいお話で、ドキドキも悲しさもハッピーもあったのに素直に「おもしろかった~!」って言えない。。

今回はそんな『君の名は。』の感想を書いてみようと思います。







『君の名は。』のあらすじ

東京で暮らす高校生、立花 瀧(たちばな たき)。
眠りから目覚めると違和感があり、目を下ろすとなぜか胸の谷間があった・・・。

一方、田舎町に住む女子高校生、宮水 三葉(みやみず みつは)。
目覚めて喉の妙な重さや声の低さを感じる。体を見ると胸にあったものが無くなっており、下半身に何かがある・・・。三葉は男になっていた。

初日はお互いになりきって高校生活を過ごすが、やがて瀧と三葉は夢の中で入れ替わっていることに気づく・・・。この入れ替わりは週に2、3回起こるようになる。

やがて2人は手、腕、スマホの日記やノートを通じて交流するようになり、お互いのことを少しずつ知っていく。
しかし、ある日を境に入れ替わりは起きなくなってしまい、気になった瀧は三葉に会いに行く。そこには衝撃の事実が待ち受けているのであった。。

良かった点

背景描写

君の名は 背景

まず、やはり背景描写がとても美しかったですね!山の上から見た糸守町の風景、神樹がある場所の水面、朝日を浴びる東京の街など、風景描写が繊細で美しいです。『もののけ姫』や『バケモノの子』などでもわかるように、アニメ作品において背景の描写は大事ですよね!
また、彗星が落ちてくるところのダイナミックな描写もおもしろい表現でした。

音楽

RADWIMPSの曲は内容に合っていましたね。特に『前前前世』の歌詞は運命の恋人へ向けて作られたような歌詞で、映画の内容ともリンクしていました。RADWIMPSの曲が使われているから観に行くというファンもいるようですね。野田洋次郎さんのボーカルが、繊細な青春期を表すようで聞き入ってしまいました。

転調

これはネタバレになるのですが、物語の途中で実は三葉は・・・という事実が明かされます。そこまでは笑いも起こるようなポップな展開で、街の描写などもキラキラしているのに対し、ここからは画面の色も暗くなります。前半部と大きな差異があるので、とてもショッキングな展開に引きこまれますね。この転調は効果的でよかったです。

ここまで、良かった点を書いてきましたが、これからは私が不満に思ったこと、消化不良であった部分を書きます。

君の名は。批評

1.キャラクターの描写不足

まず、特に気になったのがこの点です。キャラクターがしっかりと描写されていない。。キャラクターが平々凡々、平板でコンプレックスや欠点、いい所などの人間らしい部分があまり見られないのでキャラクターに魅力を感じませんでした。なので感情移入もできないし、あくまで客観的に物語を見てるだけという状態に。

例えば、三葉は田舎に不満を抱いているごく普通の女の子です。家が伝統ある神社であり、その儀式をやらなければいけず、父親が町長なので同級生からもからかわれている。いろいろ不満のある環境で、東京に憧れを抱いているという、よくいる田舎の少女ですね。でもこれ以上この普通の少女の内面の部分が深掘りされていないので、表面的な悩みを抱えてるだけの女の子、っていうくらいで、そんな悩みはすぐに解決できそうだし、正直もっと考えていることがあるんじゃないかと思ってしまう。

そして、瀧の方はというと東京に住んでおり、良い友人にも囲まれており、バイトに精を出し、バイト先の先輩に恋をしているイケメンです。書いていてふっつーの人物ですね(笑)。瀧についてもその人間性は語られておらず、コンプレックスや悩みも感じられません。もう普通すぎる!なんか人間的に魅力を感じない。(そりゃ就職先も決まらないよ、あんたw)

主人公たちの友人に関してもそうです。主人公にただただ優しい良い奴、で終わっています。だからそいつらが出てきてもあくまで遠目から「いい友達ですな」しか感じない。ちゃんと書かれてたのは父親くらい?

このように各キャラクターの描写が薄いので、物語が進んでもあくまでどうでもいい奴らの話を観せられているだけ、という感じ。。まあ自分も高校のときはそんなに何も考えてなかったから何もこんなもんかな。







2.衝突や悩み、成長がない

上でも書きましたが、主人公たちに大きな悩みや超えなければいけない障害はありません。ただボケッと生きていたら体が入れ替わりました、さてそれは誰と入れ替わったんだ?探してみようっていうだけの話です。その入れ替わりから何らかの成長が見られればいいのですが、結局なにも成長や衝突はありません。

ドラマとは衝突や成長から生まれるものでしょう。たとえば、『千と千尋の神隠し』では千が社会のなかで成長していく様や『エヴァンゲリオン』では、父親や社会、自分との衝突を経て成長する様はやはり感情移入し応援したくなりますし、そこにドラマがありました。

ですがこの映画では、そのドラマがないのです。瀧が好きな女の子(バイト先の先輩)と話がうまくできない、という部分でも成長も努力もしません。いちおう両主人公の親との間に問題が見受けられますが、最終的に解決せずに終わるし。。

このように衝突や成長がなく、ただたまたま降ってきた隕石に左右されるだけの話なので何も共感できない話でしたね。

3.メッセージの不在

この映画で描かれる主人公たちは平凡な高校生です。そしてこの映画を観る人も高校生ではなかったとしても、運命の相手というようなものを信じている人も多いことでしょう。別にそこに文句はいいません。ですが、衝突も成長も努力もない、あまりにも口当たりの良いストーリーとメッセージで、何を伝えているのでしょうか?私はこの口当たりの良さに薄ら寒さを感じてしまいました。

新海誠監督は、平凡だけど何にも努力や成長をしなくても、自分に奇跡が起こって運命の相手であるイケメンもしくはかわいい女の子と出会えるというような、人の棚からぼた餅的な願望を満たしたいのかな、と勘ぐってしまったくらいです。

ただただ美しい物語と絵を見せたかったのでしょうか?ただただ感動するような話を作りたかったのでしょうか?正直この映画からは何のメッセージも受け取れません。「結び」については劇中で説明があるので、そういった絆というようなことがメッセージなのでしょうか?であるならば、家族間の絆や友人間の結びをもっと描かなければならないようにも思いますね。。

以上、このような不満点はありましたが、絵は綺麗ですし、それなりに楽しめる作品だとは思いますので運命的な恋などを観たい方はぜひ劇場へ足を運んで頂ければと思います!

映画『君の名は。』公式サイト

追記:もし「君の名は。」がホラー映画だったら。。

下記のような動画が作られています!もしもホラー映画だった場合の予告編です。ほんとよく出来てて爆笑しましたw

 

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