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キッチンオリジンのイートインにみる共働き女性へのマーケティングとは?

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オリジン弁当のイートインが便利!

オリジン弁当 女性
先日地元のオリジン弁当に行ったらイートインコーナーが出来ていました。名前も「オリジン弁当」から「KITCHIN ORIGIN」に変わっています。弁当屋さんのなかで食べるっていう発想はなかったですが、使ってみるとかなり便利でした!

オリジン弁当 女性

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家まで持って帰ると弁当は冷めたり、容器のゴミを家で捨てなくてはなりませんよね。それがイートインだと出来たてをすぐに食べられますし、容器も全て店舗で捨てられます。ウォーターサーバーがあったり、お酒を販売している店舗もあるので飲み物にも困りませんよ。さらにはお弁当だけでなくお味噌汁や漬物、サラダが付く定食やうどんやラーメンなんかも販売しています。

私が行ったときには子連れのお母さんや高齢の女性が定食や惣菜を食べていました。

「オリジン弁当」はこのイートインを全国の店舗で進めているようです。

イートインコーナーを設けているのは、同社が2014年2月に始めた新業態「キッチンオリジン」だ。働く女性をメインターゲットに据えた店舗で、16年5月末までに187店を展開。既存の「オリジン弁当」からの業態転換も進んでおり、16年度中に約330店のうち130店近くをキッチンオリジンへ転換する予定だ。最終的には、2018年をめどに全店舗を新業態に転換する目標だ。

引用:オリジン弁当でちょい飲み、ラーメン 「イートイン」に転換する切実な理由とは







コンビニなんかもイートインコーナーを作ったりしていますが、コンビニでコーヒーを飲んで休憩したり、会社の昼休みにご飯を食べたり、地方や郊外の店舗では高齢者や主婦が集まる地域コミュニティーの場ともなっており、飲食需要を掘り起こせているようです。(http://www.sankeibiz.jp/business/news/161203/bsd1612030645006-n2.htm)

それと同じで、本来家に持ち帰る弁当だけを販売していた弁当屋さんがサラダなどの惣菜や定食、酒類も販売し、その場で食べられるイートインというのは外食需要も取り込み、売上を上げる良いアイデアだと思います。イートンという形式は、女性の労働進出が進むなか働く女性の需要に対して訴求したことが成功要因となっているようです。

今回はイートインを考えることで、共働きの女性へのマーケティングについて考えてみたいと思います。

キッチンオリジンの口コミ

まずはキッチンオリジンがどのように評価されているかTwitterで感想を見てみましょう。

これらの感想を見ると、キッチンオリジンのイートインコーナーは概ね好評のようですね!







イートインコーナー設置の理由は?

オリジン弁当 女性
そもそもオリジン弁当がイートインコーナーを設けたのはどのような理由なのでしょうか?

同社の経営戦略部、斉田善人部長は以下のように語っています。

オリジン弁当は2004年に500店を突破し、06年には首都圏から関西にも進出したのだが、実はもうその頃から既存店の売り上げ、客数はじわじわと右肩下がりになっていた。既存店の前年比が97~99%であれば「いわれてみれば減っている」といった程度で、不調に見えない。ところが十数年、じわじわと右肩下がりの傾向が続くと、気付けば日販が違ってきてしまう。顧客層を分析してみると、明らかに女性が減少していた。

中略・・・

「社会背景として、働く女性が増えて結婚する年齢が上がり、食の外部化が進んでいます。夫婦共働きも増えています。残業して夜9時、10時に帰宅するとなると、疲れを取るためには、自炊するよりも、買ってきたもので効率的に夕食を済ませる傾向が強まっています。そうしたニーズに応えて、働く女性に満足していただける店づくりをすれば、客数が回復して成長軌道に乗せられるのではないかと考えました」(斉田部長)。

引用:http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1606/13/news025_2.html

女性の社会進出が進み女性の外食への需要が高まっているのに、女性客が減少していたということは売上を拡大するチャンスを逃していることになります。ここに担当者の方は気づいたのですね。

この逃していた女性客に向けた戦略を取ることでキッチンオリジンへの業態転換を進めた14年2月以降の売上は、実施前と比べて前年比125%で推移するなど好調を維持しています。

女性の所得が増え、自由に使えるお金が増えている昨今、共働きの女性だけでなく全ての女性をターゲットとしたマーケティングというのは企業にとって今後の大きな課題といえるでしょう。

女性へのマーケティングの重要性

女性はすべての消費のうちどれくらいの影響力があるのでしょうか?政府が行った調査では以下のようなデータがあります。

女性消費は、2013年の時点で120兆円である。裁量支出の65%を占め、家計消費全体に占める割合は51%である。

引用:研究開発分野における女性活用「女性が決定権を握る消費」

日本では女性が消費に与える影響は65%程度あるようです。なんと女性は日本の半数以上の購買に影響を与えているのです!

このデータは実際の支出ですが、女性がお金を出さなくても決定権を握っている割合はもっと大きいと思われます。何かの商品を買う時に、夫がお金を出すけど決定権は妻の方にあるということがあると思いませんか?家具を買う時とか家の壁を何色にするとか、車を買う時などを思い浮かべてもらうと理解できると思います。購買においては女性が主導権を握っているのです。

また女性が購買決定権を握る割合と就業人数に占める女性割合の関係は相関関係があります。例えばアメリカやドイツなどは就業人数における女性の割合が多く、購買決定権を握る割合も高いです。アメリカでは女性が影響を与える割合は8割を超えるというデータがあります。

女性が消費財全体の80%を購入するか、その決定に大きな影響をおよぼしている。

引用:『女性のこころをつかむマーケティング』ブリジット・ブレナン著

女性 データ 消費

日本でも今後、女性が働く割合がどんどん高くなると予想され、消費における女性の購買決定権は高くなると予想されます。私たちはこれからの時代、女性へのマーケティングを強化しなければならないのです。







女性の食の傾向は?

キッチンオリジンのイートインは中食と外食をミックスした食の形態です。お弁当などを買って家で食べるのが「中食」、店舗などで食べるのが「外食」。この2つをミックスし、「お弁当を買って店舗で食べる」という新しい食形態を生み出したのです。

ではこの「中外食」が女性に好評な背景は何なのでしょうか?データで見てみましょう。

まず女性の外食自体が増えているのでしょうか?女性の外食や中食への需要が増えていれば今後も外食・中食産業は成長が見込めます。下記のデータをみてください。

外食 統計 データ
引用:https://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/pressrelease/gourmet/nw10068_20150617

女性の30、40、60代において外食の比率が前年比よりも増えています。しかも働いている人口が多く、子供を持っている人口の多い40代で特に増加しています。このように働く世代の女性は付き合いもありますし、家で料理を作る時間などもなく外食に行くことが増えているのでしょう。

次に、2013年の外食・中食市場における一人当たりの平均客単価を男女で比較してみます。

これをみると、外食・中食全体では+57円男性の客単価が女性より高くなっており、中食でも同じく男性の客単価が+45円高かった。その一方で外食に注目すると、女性の客単価が男性よりも高く(+30円)、1,120円であった。

外食 女性

中食では男性のほうが客単価が高いですが、外食では男性よりも女性のほうが単価が高い結果となっています。これはどういうことでしょうか?

あくまで想像ですが中食では男性のほうが食べる量が多いので客単価が高くなったのだと考えられます。一方外食では食べる量が少ない女性のほうが単価が高いということは、女性は高単価のものを選ぶ傾向にあるということがわかります。

女性は食において栄養バランスを気遣う傾向があるというデータもあります(下図)。外食では女性は量よりも質を求めて高単価の商品を選ぶ傾向にあるのではないかと思います。

外食 栄養バランス データ
引用:https://www.cross-m.co.jp/news/release/20160831.html

では外食市場で客単価が高い女性はどのような業態を利用しているのでしょうか。外食市場における業態別の性年代比率の推移を直近3年で比較したデータが以下です。

女性 外食

ここから全体に比べてファミリーレストラン業態が、その他に比べても女性比率が高い傾向であることがわかります。女性は居酒屋のような、何品も注文してお酒を飲んで長居するようなお店ではなく、ファミレスのような品数は少なくお酒もあまり飲まないお店を選ぶ傾向にあるようです。

引用:http://www.npdjapan.com/press-releases/press_20131224/

これらのことからキッチンオリジンが女性に好評な理由としては以下でしょう。食事の栄養バランスを気にしたり、ファミレスなどの軽食できる外食によく行く女性に、無添加にこだわったりサラダや惣菜を豊富に取り揃え、栄養バランスのよいものをラインナップし、店内で簡単に食べられるスペースを作ったことで女性の需要に応えた、ということです。

オリジン弁当 女性

また女性への訴求にはデザインも大きなポイントになります。キッチンオリジンにリニューアルする際には、看板のフォントも丸みのあるデザインにしたり木の質感を感じさせたり、店内の配色も変えておしゃれにしたり、木の質感を感じさせるテーブルにすることで女性に受け入れられるデザインを採用していることも大きな理由でしょう。

このようにキッチンオリジンは働く女性の需要に訴求することで、中外食という新しい形態を作ることに成功したのです。







女性へのマーケティングが重要

ここまで見てきたことで中外食において、働く女性へのマーケティングが重要であるということはわかっていただけたと思います。

この業界だけでなく、あらゆる業界で女性へのマーケティングが重要となっています。女性へのマーケティングを強化しなければならないのに、日本の企業でマーケティング担当者や販売担当重役の大半や広告会社のディレクターでは男性が未だに多数を占めています。管理職における女性の割合は日本では11.5%とかなり低いです。(研究開発分野における女性活用「女性が決定権を握る消費」

もちろん一概にすべてがそうだとは言えないですが、女性のことをわかっていない男性が商品を企画して宣伝しているのです。たいていの人は実生活で男女のギャップを身にしみてわかっているはずなのに、そうした男女差をビジネスに活かせていないのが現状でしょう。これはテレビや街にある広告を見ていただければわかるのではないでしょうか?

例えば車のCM。ダンディな男性がかっこいい車に乗って外国の道路をさっそうと駆ける。隣には美女が乗っている・・・。このような広告はもちろん男性へ向けた広告なので仕方ないですが、本当にこれでいいのでしょうか?この広告だと女性はひとつも魅力に思わないでしょう。

今後、女性の求めているものを探ることで企業は大きな利益を得ることができるのではないでしょうか。

女性の購買行動や女性へのマーケティングを理解するのにこの本はとても参考になりました。
マーケティングに携わる人は読んでおいたほうがいいですよ!

 

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